不安になりやすい原因
不安になりやすい方は、だいたいマイナスに考えてしまうことが多いです。
思考と感情は、密接につながっています。
A:なにかの出来事 → C:結果(感情)
だと、考えられていることが多いですが、認知療法の考え方では、
A:なにかの出来事 → B:考え方 → C:結果(感情)
と、何かしらの出来事を自分がどう捉えるのか(考え方)によって、結果の感情が変わってくると言われています。
たとえば、
A:宿題がある → B:「宿題は終わるだろうか?わかるだろうか?一人でできるか?」 → C:不安
このように、Bの考え方が、マイナスに考えやすいと、不安になりやすいです。
マイナスの思考の一般的な例は、
- 完璧主義:100でなければならない。100できないのであれば、0でいい。自分へのハードルが高すぎて、満足することができず、ハードルを超えられない自分を責めます。自信がなくなっていきます。
- みんなに好かれなければならない:自分がみんなに好かれることは、不可能なことです。みんなに好かれようとして、そのときの自分の意見を言えなかったり、相手にあわせすぎて、つかれていきます。相手のことを尊重することは大切ですが、いつも同意しなければならないわけではありません。
私たちの考え方や価値観は、過去の経験から成り立っています。子どもの場合、身近な大人から学んでいることが多いです。私たちみんな考え方の「くせ」のようなものがあります。この考え方のくせは、自分の過去で経験したことを元に、自分が見聞きしたことを元に、自分がそれについてどう捉え、そしてその捉えたことを無意識の中で繰り返し自分に言い聞かせていきます。繰り返すことによって、くせになっていくのです。
ただ、思考のくせは、自分で気がつかなければ直せません。何かのくせを直すことと同じです。そのやり方は、お子さんでも同じです。
いろんな不安
- なにかあったわけではないのに、漠然とした不安
- 特定のものに対しての不安・恐怖心(例:せまいところ、爬虫類、学校など)
- パニック症:突然パニックになることが、頻繁に起き、数分から1時間ぐらい続きます。自分が死んでしまうのではないかというぐらい強いパニックです。このパニックが起こらないように、その場所を避けるようになっていきます。ひどくなると、家から出られなくなります。
- 強迫症:何かに強い恐怖心があり、それを繰り返し考えたり、繰り返し行動することです。たとえば、手が汚れることに恐怖心があると、何回も繰り返し手洗いをします。手が荒れていても、まだ手に菌がいるような感じがしてしまうのです。
カウンセリングでできること
認知行動療法
自分にどんな思考があるのか、そのパターンに気がつき、修正していく認知療法を行うことが多いです。先ほど書いたマイナスな思考、偏った思考がある場合、どんな風に考えると不安が和らぐのかちがった思考を一緒に考えます。
そして、その思考が自分に定着するように、繰り返し自分にやさしく言い聞かせていきます。
お子さんの発達にあわせて、わかりやすい形で行っています。
リラクゼーション
深呼吸などのリラクゼーション方法を学び、日常生活で実践していただき、何がうまくいって、いかなかったか、カウンセラーと話をしていくことで、自分の対処方法を増やしていきます。
呼吸法は、不安のときの対処法としてとても効果的です。パニック症の方にも効果的だと言われています。セッションのときに、呼吸法は一緒に練習します。
事例
高校生1年生 女子
仲の良かった友だちから、批判的なことを言われて、強く落ち込み、体調も悪くなっていたKさん。また何か言われたらどうしよう、自分ってダメな人間だという悲観的な思考も強く、学校に行くのが少しずつ怖くなっていきました。
もともと、真面目で、未来のことも真剣に考えるタイプのKさんだったため、だんだん不安も強くなっていきました。まだ高校1年生でも、すでに大学受験のこと、社会人になったあとのことまで心配していました。自分は結婚できるのでしょうか、という言葉がKさんの不安の高さを表していました。
不安になったときに何ができるのかを一緒に考え、リラクゼーションもたくさん練習しました。また、不安は自分の考え方からきているため、自分の考え方のくせに気づき、それを変えていくことも一緒にやっていきました。
だんだん自分の不安とうまくつきあえるようになっていき、元気になっていきました。
大人の方(30代男性)
ものごとを詳しく深く考える傾向があったLさん。ある一つのことが気になると、そればかりどうしても考えてしまうことが多く、落ち込んでしまうこともありました。また、「男性」ということで、社会的な男性性はあまり強くなかったため、そのギャップで悩んでもいました。
はじめは、不安に共感しながら、不安の対処法について学んでいただいたり、自分の思考をとめる、そして変える練習もしました。また、ものごとを深く考えることのよさも一緒に考え、自己肯定感を高めることも目指しました。ものごとを深く考える時間と考えない時間をわざと作ることもしました。
だんだん自分の考え方を変えることができたり、考え込みすぎて落ち込む前に自分で思考を止めることもできるようになっていきました。
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オンラインカウンセリングの注意点
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- カウンセリング中はプライベートが守られるお部屋でお願いします。
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- お子さんのカウンセリングの場合、ある程度言語化できるようになるのが小学校3年生ぐらいになりますので、それぐらいでしたら、オンラインカウンセリングが可能です。