発達障害と不登校
こんにちは。
不登校専門 公認心理師の川合仁美です。
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
「発達障害」という言葉が浸透して何年も経ちましたね。
でもなんだか誤解されているところもまだある感じがします。
そもそも、「発達障害」というカテゴリーで話すのは
日本独特な感じがします。
たとえば、アメリカ精神医学学会がだしているDSM5という
精神疾患を診断する基準がありますが、
ここでは、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、SLD(学習症)は
「神経発達症」というカテゴリーの中に入っています。
実は英語ではどれも”disorder”だったものが、
「障害」として訳されていましたが、
DSM5以降は「症」として訳されています。
ずっとなぜ「障害」と訳されているのか不思議だったのですが、
英語の語感から考えると「症」のほうがしっくり気がします。
ASDやADHDと診断されている子どもたちと接していると、
「障害」というよりも
環境次第で凸凹が大きくなったり小さくなったりする感覚がやはりあるので、
「症」と訳されているほうがやっぱりしっくり気がします。
保護者の方も、「発達障害」と言われるのと「神経発達症」と言われるのでは
感じ方が違うのではとも思います。
ただ、やはり学校は結構しんどい場所になりえます。
特性が大きいお子さんにとって、
不登校のハイリスクの一つになってしまいます。
ちなみに、他の不登校のハイリスクは
家でのマルトリートメント
教師のハラスメント
いじめ
です。
ただ、ハイリスクはリスク要因ですので唯一の原因とは限りません。
では、なぜハイリスクになってしまうのか。
その答えは、カリキュラムにあると言われています。
学校はどうしても一斉授業が多いですね。
そのカリキュラムは、平均7割の子どもたちのために作られています。
子どもたちは自分がどのように学びたいのかを選ぶことができません。
また、学校では、
「どんな人でも繰り返し量をこなせば必ずできるようになる」
と考えられているところがまだあります。
漢字の大量の書き取りを思い出していただけたら、これは理解できるかなと思います。
でも、本当は学び方は人それぞれです。
繰り返しやることで定着するお子さんはもちろんいます。
でも、言葉で覚えるお子さんもいるし
体を動かして覚えるお子さんもいるし
空書きのほうが覚えるお子さんもいます。
そして、宿題。
宿題は、まだみんな同じものがでることが多いですよね。
しかも出る量がやはりまだ多い。
学び方が違うのに、苦手なことを家に帰ってもやらされるのは、
やはり苦痛です。
学ぶことが苦痛になっていきます。
そして、平均7割でできているので、
「普通」になろうと
過剰適応してしまうお子さんもいます。
この過剰適応があると、
家に帰ってきてからの疲労感はハンパないはずです。
不登校になると、まずは医療機関からすすめられることが多いと思います。
診断されることで違う視点が入り、
お子さんのことを理解するのが深まるのにはいいと思います。
でもはじめから薬から入るのではなく、まずは環境調整から入るのが本来は大切です。
発達の特性があるお子さんがわかりやすい環境というのは、
他のみんなにとってもわかりやすい環境なのです。
でもそう言われてもどう環境調整していいかはわからないでしょう。
そういうとき、まずは安心できる専門家を見つけてみるのが一歩だと私は思っています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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